「ウィー・アー・オール・アローン」 ボズ・スキャッグス 1976年

2006-12-29

いまやスタンダード・ナンバーとなった「ウィー・アー・オール・アローン」は、優しいピアノとシンプルなベースのイントロから始まって、ボズが魂を込めて歌う誰もが知っている名曲です。 もう耳にすることもなくなったAOR、アダルト・オリエンテッド・ロックという言葉もボズ・スキャッグスの代名詞のようなものでした。

学生になりたての頃、フォークソングを卒業しかかってこれも今や死語となったニューミュージック、そしてハードロックとあれこれ聴きまくっていた耳に洗練されたポップスは新鮮で心地よく、なんだかちょっと大人の世界に触れているような背伸びした気分にもなれました。 この曲を収録した名盤、「シルク・ディグリーズ」を持っている奴は、仲間内でもちょっとオトナのようなかっこよさもあったんです。

当時ギターはちょっとだけかじっていましたが、この曲を聴くと、ああ、俺もピアノの弾き語りができたらいいなあ、なんて思いました。 ボズはハードな曲をやってもかっこいいけれど、やっぱり彼の歌声にはバラードがよく似合います。 来日コンサートで実際に聴いた彼の声はレコードやCDで聴くよりも艶があって素晴らしく、いつかはピアノを弾きながら「ウィー・アー・オール・アローン」をボズみたいにかっこよく、できたら女の子の前で歌ってみたいという夢は、残念ながらいまだに叶っていません。


シルク・ディグリーズ ボズ・スキャッグスシルク・ディグリーズ ボズ・スキャッグス
洒落たジャケットに洗練された楽曲の数々、ボズはこのアルバムで大ブレイクしました。 ライブで聴いた「ロウダウン」は、やっぱりかっこよかった。

「心もよう」 井上陽水 1973年

2006-12-26

中学の時に当時大学生だった叔父ふたりとキャンプ旅行をしたのがきっかけで、高校に入学した僕はキャンプ部というのがなかったので山岳部に入部しました。 なんて地味なんでしょう。 それはともかく山登りをしてキャンプをしたり、山小屋に泊まったりするのはなかなか楽しいものです。 いいかげん寒くなってきた12月、止せばいいのにまた山登りをして、山小屋でこれから寝ようという時にラジオから陽水の「心もよう」が流れてきました。

当時は吉田拓郎が先行するような形で僕たちの間ではダントツの人気でしたが、アルバム「氷の世界」が出てからは拓郎とはまったく違うタイプの井上陽水も大人気となりました。 もじゃもじゃの頭にサングラスのいかつい顔、結構デカイ体にあの素晴らしい歌声。 「傘がない」や「心もよう」のような悲しげな曲と「氷の世界」や「夢の中へ」といったそれまでのフォークソングとはちょっと違ったインパクトのある曲で、なんか凄い奴が出てきたぞ!と当時の僕たちは衝撃を受けた訳です。

ここでまたキャンプの話に戻りますが、山へ登ってみんなで飯を食って星なんかを見て、こっそり持ってきた酒を飲みながらさあ、これから寝ようかという時に流れてきた「心もよう」は心にじ~んと染みました。 大自然は、いや「大」が付かなくても自然は人を穏やかにするところがあって、陽水の歌は人をシミジミとさせるところがあって、多感な青春時代に良い仲間と良い曲に出逢えて良かったなと思います。


氷の世界 井上陽水氷の世界 井上陽水
名曲がぎっしり詰まった井上陽水初期の、と言うよりも彼の代表作。 有名ミュージシャンのサポートも得て、大傑作ミリオンセラーとなりました。

「白い冬」 ふきのとう 1974年

2006-12-24

毎年冬になると思い出すのが、ふきのとうの名曲「白い冬」です。 まるで女性のようなハイトーン・ボイスのボーカルと美しいハーモニーが持ち味のデュオですが、正直言うとこの曲以外のことはよく知りません。 でも、1曲だけでも心に残る曲を知っていたら、それだけでも何だか得したような気になるじゃありませんか。

メイン・ボーカルは細坪さんという人だそうで、声質と名前がなんとなく一致してます。 「ふきのとう」という名は、毎年春が待ち遠しい北海道出身のグループだから付けたんでしょうか。 「白い冬」は歌詞に「悲しい白い冬」とあるように、終わってしまった恋を秋、そして冬という季節とともに歌い上げた曲ですが、彼女との思い出はそう簡単に「秋の枯葉の中に」捨てられるものじゃありません。 冬の訪れとともに胸が切なく疼く気持ちはよくわかりますけどね。

だいたい男のほうが未練がましくて過去を引きずったりするなんてよく言われますが、それでもいいじゃないですか。 甘い思い出や、切なく苦しい思い出を歌にして女の子みたいな声で歌ってなにが悪い!って怒ったってしかたがないんですが、多くの人の心に残る名曲というのはどこか未練がましいような往生際が悪いような、すっぱりと割り切れないような思いがこもっているような気がします。


ふきのとう SINGLES Iふきのとう SINGLES I
毎年寒くなってくると思い出す名曲「白い冬」。 アルバムのジャケットは「ふきのとう」の早春のイメージです。 シングルAB面全曲コレクションの前篇。

「アイム・ノット・イン・ラブ」 10cc 1975年

2006-12-19

Tag : 10cc

10ccの「アイム・ノット・イン・ラブ」は曲名やバンド名は知らなくても誰もがどこかで聞いたことがある名曲中の名曲です。 幻想的なイントロに続いて優しいボーカルが始まると、なんとも言えない心地よさに包み込まれてほっとしてきます。 30年以上も前の曲とは思えない新鮮さもあるし、過去にテレビのCMでも使われたこともあって、「ああ、あの曲か!」と知らない人に言わせたくなりますね。

グループのメンバーだったゴドレイ&クレームの二人は才気溢れるコンビで、80年代に入るとミュージック・クリップの制作でも有名になります。 ポリスやデュラン・デュラン、そして自らのヒット曲「クライ」の登場人物たちの顔が性別・人種を問わずシームレスに変わっていくプロモーション・ビデオも楽しませてくれました。 80年代はMTVの時代でもあったので、ちょうど時流にも乗っていたんでしょう。

イギリスのバンドというのはどこかひねりが効いたところがあったりして、そこがシンプルなロックが受けるアメリカとはちょっと違うところかなと思いますが、ものを創る喜びを満喫してそうなゴドレイ&クレームなんかは、なんだか幸せそうだなあと思います。 曲を書いて歌って演奏して、おまけにアイデアとセンス満載のビデオも撮って、ああ、才能があるっていいなあ。


オリジナル・サウンドトラック 10ccオリジナル・サウンドトラック 10cc
10cc不朽の名作「アイム・ノット・イン・ラブ」収録のサード・アルバム。 ゴドレイ&クレーム、センスとアイデア満載の隠れた傑作です。

「あなたがここにいてほしい」 ピンク・フロイド 1976年

2006-12-14

プログレッシブ・ロックのモンスターバンド、ピンク・フロイドのアルバム「炎」の中に収められている「あなたがここにいてほしい」をギターのデイブ・ギルモアが弾き語りで演奏するのをテレビで見たのはもうだいぶ前のことですが、シンプルなギター・ソロから始まるこのステージは感動的でした。

いまだに売れ続けている前作「狂気」の世界的大ヒットでビッグ・バンドの仲間入りをした彼らですが、初期のメンバーだったシド・バレットが心を病んでバンドを離れてしまい、この「あなたがここにいてほしい」はその彼に捧げる曲だと言われています。 バンドも永く続けていると色々な事が起こるもので、やっぱりギルモアも悲しい思いをしたんだろうなあと思います。

単純で縦ノリの激しいロックもいいけれど、静かに感情を込めて演奏する曲には誰もが心を揺さぶられます。 ましてその曲の裏側にさまざまな物語が秘められていればなおさらの事ですよね。 ずば抜けた才能や感性を持っている人たちの中には精神を病んでしまうケースが多いような気がしますが、なかにはあの岡本太郎のように「芸術は爆発だ!」とか言って外側に向けてはじける人もいて、芸術家やミュージシャンというのは人を惹きつけるところがあってうらやましい。


炎~あなたがここにいてほしい ピンク・フロイド炎~あなたがここにいてほしい ピンク・フロイド
最近のデイブ・ギルモアのインタビュー記事で、「このアルバムが好きだ」と語っているのを読みました。 「Wish You Were Here」 には泣けてきます。

「マザー」 ジョン・レノン 1970年

2006-12-10

ジョン・レノンがニューヨークの自宅前で射殺されてから、この12月でもう26年になります。 彼が殺された翌日だったか、仕事帰りによく行ってた喫茶店でビートルズの曲ばかり流れていてなんか懐かしいなとか思っていたら、喫茶店のマスターがジョンの追悼特集のつもりでビートルズの曲を選んで流してたんですね。

ビートルズ解散後のソロ第一作目の「ジョンの魂」最初の曲「マザー」は、教会の鐘の音に続いていきなりジョンが「お母ちゃ~ん!」と絶叫する衝撃的な曲で、初めてラジオで聞いたときはちょっとびっくりしました。 ジョンの歌声というのはなんだかちょっと甘えたような響きがあってそこがまた良かったんですが、何となくひねくれた甘えん坊の雰囲気を持っていた彼は、やっぱりいつも寂しかったんじゃないかと思います。

もうすぐクリスマスなので彼の歌うクリスマス・ソング「ハッピー・クリスマス」を耳にする機会も多くなると思いますが、12月がジョンの亡くなった月なのかと思うとちょっと切ない気分にもなってきます。 奥さんのオノ・ヨーコの故郷、日本へもよくお忍びで遊びに来ていたそうですが、その時にどこかでばったり見かけたかったなあ。


ジョンの魂 ジョン・レノンジョンの魂 ジョン・レノン
ジョン・レノンのソロ第一作。 暖かい雰囲気のジャケットのような世界こそ彼のあこがれだったのかもしれません。 内容は暖かいというよりはジョンの寂しい心の中を表しているようです。

「いちご白書をもう一度」 バンバン 1975年

2006-12-07

「いちご白書」は1970年に公開されたアメリカ映画で、コロンビア大学で起きた学園紛争を舞台にした恋愛ものです。 ばんばひろふみがバンバンの頃大ヒットさせた「いちご白書をもう一度」は前回の「冷たい雨」と同じく荒井由実の作詞・作曲で、今では遠い昔の物語となった学園紛争を舞台にした映画を恋の思い出として描いた名曲です。

「雨に破れかけた街角のポスター」など今はもう見ることもありませんが、あの時君と一緒に見た映画が再上映されているけど、君ももう一度観にいくのかな?なんて、ロマンチックじゃありませんか。 青春時代の思い出は音楽や映画、小説や旅行などでよく蘇ることがありますが、せちがらく厳しい世の中、昔を懐かしむのもストレス解消みたいなものです。

僕よりもう少し上の世代は学園紛争が盛んな頃で、あの東大の安田講堂に俺はいたんだと熱く語る上司の話を一度聞いたことがあります。 もっとも攻防が始まる寸前までだったらしいけど。 事の是非はともかく、今の学生よりも間違いなく熱く燃えていたちょっとうらやましい世代だなという気がしますね。


「いちご白書」をもう一度 バンバン・ばんばひろふみ「いちご白書」をもう一度 バンバン・ばんばひろふみ
物語のある歌詞を聴きたい今日この頃。 心の琴線に響く歌がこの頃は多かったような気がします。 ばんばひろふみのソロ初のヒット曲「SACHIKO」も収録。

「冷たい雨」 ハイ・ファイ・セット 1976年

2006-12-02

ある日彼氏の部屋に行ったら見知らぬ女の赤い靴が玄関にあってと、普通ならここで修羅場が展開されるところですが、そうはならずに悲しみにくれる彼女は冷たい雨の中街をさまようという、切なく悲しい物語になるのがハイ・ファイ・セットの歌った「冷たい雨」です。

作詞・作曲は荒井由実。 他にも「卒業写真」などの名曲を提供してもらってますが、こちらはユーミンが歌うより数段いいんじゃないかとさえ思えます。 このグループはなんといってもメインボーカルの山本潤子の素晴らしい歌声が最大の魅力でした。 あと10年くらいしたら人間国宝に指定してあげてもいいくらいの日本音楽界の宝物だと思います。

後にグループのひとり、ヒゲのおじさんが泥棒で逮捕されたのにはビックリしましたが、人生どこでどうなるやらわからないもんです。 山本潤子はもちろん今でも音楽活動を続けていて、サッカーの日韓ワールドカップの年だったか、「赤い鳥」時代の名曲「翼をください」を聞いて若者たちも彼女の歌声に感動しただろうと思うとなんだか嬉しいような誇らしいような気持ちになりました。 「俺は昔から知ってんだぞ」という、中年ならではの喜びというものでしょうかね。


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山本潤子の素晴らしい歌声を聞くだけで幸せ。 透明で艶と伸びのある芸術品です。 荒井由実作の「卒業写真」は本家を凌ぐ出来映えだなと思います。

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プロフィール

Author:music70s
1957年生まれ。
福岡県在住です。

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