「トゥ・オブ・アス」 ザ・ビートルズ 1970年

2008-05-28

最初に買った洋楽のLPはサイモンとガーファンクルでしたが、友人から借りたビートルズの「レット・イット・ビー」は、その後の音楽の好みを決定付けるアルバムとなりました。 デビュー以来世界中に大きな影響と衝撃を与えたリバプール出身の4人は、当時はまだ知りませんでしたがもう修復不可能なくらいバラバラになってたんですね。 彼らが解散したのは僕が中学1年だった1970年、僕たちはリアルタイムでビートルズ・サウンドに触れた最後の世代かもしれません。

偉大なバンドの終焉を象徴するように、このアルバムにはいい曲がたくさん入っているのに全編を通して寂しい雰囲気が漂っています。 1曲目の「トゥ・オブ・アス」はアコースティック・ギターのイントロとポールのボーカル、ジョンのコーラスが素敵ないい曲なのになんでこんなに切なくなるのか。 もともと音楽の大好きな友人たちが集まって地道にライブをやって、その中の二人はずば抜けた才能の持ち主だった為に20世紀最高のバンドにまでなったのに。

U2みたいに一度もメンバー・チェンジをせずに長い間人気を保っているバンドもあるけど、色々な才能が集まった大物バンドはいずれメンバー間の軋轢で崩壊を迎えるのがどうも定番みたいですね。 ところで皆さんは、久しぶりに会った友人といつの間にか考え方や感覚に微妙なズレができていて、楽しいはずの再会でなんだかアレ?という気分になってしまった経験はありませんか? 長い年月は見た目だけではなくて、気がつかないうちに内面も変えてしまうことがあるようです。 そういうことも受け入れてお互いを認め合うのが大人っていうものでしょうね。


レット・イット・ビー ザ・ビートルズレット・イット・ビー ザ・ビートルズ
ジャケットを見てるだけで非常に懐かしいけれど、レコーディング当時すでにバンドが崩壊状態だったとは。 それでも僕にとっては永遠の名盤です。

番外編その2.フットボールとロックンロール

2008-05-23

Tag :

昨日モスクワのルジニキ・スタジアムで行われた欧州チャンピオンズ・リーグの決勝戦は非常に面白かった。 マンチェスター・ユナイテッドとチェルシー、イングランド・プレミアリーグを代表する両チームの激突は久々に試合前からワクワクしました。 共に豊富なタレントを揃え、特にゴールマウスを守るキーパーは二人とも世界のトップクラスですから試合がビシッと引き締まりますね。 どっちかイングランド代表に譲ってあげたいくらいです。ホントに。

M.ユナイテッドに移籍した当初は「余計なドリブルしすぎ」とか非難されてたC.ロナウドが見事なヘディングで先制しましたが、確かにトリッキーなドリブルに加えプレース・キックにヘディングと、解説の清水さんが仰ってた通り成長してます。 対するチェルシーは先のワールドカップで打っても打っても決まらなかったランパードが、チャンスを逃さず同点ゴールを決めて気合と執念を見せてくれました。

同点で迎えたセカンド・ハーフはチェルシーが押し気味で試合を進めたものの追加点が奪えず、延長戦へもつれ込んだあげくそれでも決着がつかないままついにPK戦へと突入します。 こうなったら後は選手の精神力とそれ以上に運がものを言いますね。 C.ロナウドがちょっとセコく見えるキックを失敗し、もう決まりかと思ったらチェルシーのキャプテン、ジョン・テリーが軸足を滑らせまさかのミス。 最後はファン・デル・サールが彷徨えるストライカー、アネルカのやや勢いのないボールを止めてM.ユナイテッドが劇的な勝利を飾りました。

両チームの選手が死力を尽くした戦いは劇的で残酷な結末を迎えましたが、いやあ、サッカーって面白いなあ。 イングランドのサッカー、いやフットボールはピッチと観客席の距離がビックリするくらい近くて、これが彼らとフットボールとの距離感かもしれません。 週末の試合に人生のすべてを賭けている人も大勢いそうで、今回の試合でもまるで地響きのような歓声は日本の若年サポーターとは年季と気合の入り方が違います。

ある解説者が、野球は間を楽しむスポーツだけどサッカーはまるで最初から最後まで総立ちのロック・コンサートみたいだと言ってましたが、なるほどその通りだなと思います。 貴族がいて労働者階級がいてという社会で、庶民の最高のウサ晴らしはフットボールとロックンロールなのかもしれません。 ロンドンの街並みとツェッペリンやストーンズの音楽は似合いそうで似合わんなあとやや違和感も覚えてたんですが、富や権威を象徴するキッチリとした建造物と庶民の楽しみは、所詮相容れないものなんじゃないでしょうか。


ベッカムに恋して サントラベッカムに恋して サントラ
フットボールに夢中なインド系イギリス人の女の子、ジェスの恋と青春を描いた佳作のサントラ。 映画のタイトルに気を遣ってか、ヴィクトリア・ベッカムも当然のように起用されてます。

「ひこうき雲」 荒井由実 1973年

2008-05-19

Tag : 荒井由実

最初のアルバムを出したのが19才で結婚したのが22才、その間に発表した4枚の作品に収録された楽曲の水準の高さを見ると、デビュー当時に一流ミュージシャンがサポートに集結したのは偶然じゃないんだと納得がいきます。 リッキー・リー・ジョーンズもそうでしたが、優れた才能のあるところにはまた自然と他の優れた才能が集まってくるんですねえ。

「ひこうき雲」は美しいメロディーとその歌詞のギャップに「え?」と思わず体が固まってしまうような軽い衝撃を受ける曲です。 淡々と歌っているようですが「ほかの人にはわからない・・・」という一節には痛切な思いが隠されているようで、なんとも言えない気分になってしまいます。 短い曲なんだけど、その世界には荒井由実のセンスが凝縮されているように思いますね。

彼女より歌が上手い歌手はたくさんいるだろうと言われたら、そりゃあまあそうでしょう。 だけど僕の周りにもアンチ松任谷由実はいますが、同年代の方で荒井由実、70年代の彼女の才能を認めないという人はあまりいないんじゃないでしょうか。 僕も80年代以降の彼女はほとんど聞いてないんですが、観客を徹底的に楽しませようとするゴージャスなステージはプロ意識の表れなんでしょう。

ミュージシャンとして成功してより表現の幅を広げるチャンスができた時に、当然のように大規模な演出にもチャレンジしたくなったのかもしれませんね。 年を重ねるにつれいろいろなスタイルで音楽に関わる事ができるのは、才能に裏打ちされた自分の世界を持った人だけに許される贅沢だと思います。 


ひこうき雲 荒井由実ひこうき雲 荒井由実
記念すべき73年のデビュー・アルバム。 感性とか才能とか、そういう言葉がこの人には似合います。 サービス精神はあっても媚びることなく、スックとそびえ立ってる感じがしますね。

「サム・スカンク・ファンク」 ブレッカー・ブラザーズ 1978年

2008-05-13

ランディのトランペットとマイケルのテナーが炸裂するブレッカー・ブラザーズの「サム・スカンク・ファンク」は、オープニングからラストまでハイ・テンションで突っ走る、彼らのキャリアを代表するナンバーです。 BGMで聞き流すには余りに濃密で、聴くほうも思わず身構えるというか気合を入れなきゃいけないところに、一種の心地良さがあると思うんですよね。

叩いてる本人がどこにいるかわからないくらいの巨大なドラム・セットで知られるテリー・ボジオのドラムスに乗せられて、バンドのメンバーはこれでもかと緊張感溢れるファンキーな演奏を繰り広げます。 僕は一見クールで理知的な印象を与えるマイケル・ブレッカーが思い切りブロウするのがまた大好きで、渡辺香津美の名盤「TO CHI KA」のA面4曲目、「コクモ・アイランド」での熱いテナーにも痺れました。 鋭く切れ込むアドリブは途中でフェイド・アウトしていますが、実際は延々10分以上も続いたのだそうです。

サックス・プレイヤーについてあまり詳しくないので、好きなプレイヤーは?と聞かれたらロック好きにもすんなり入れるアルトのデヴィッド・サンボーンとテナーのマイケル・ブレッカーの二人という事になります。 デヴィッド・サンボーンは「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」を見に行って、アルトが鳴り出した瞬間に「おお、かっこいい!」と感動しましたが、残念ながらマイケルのライブはもう見ることができません。 ジェフ・ポーカロもそうでしたが長生きしてほしい人に限って早世してしまって、彼が亡くなった時は本当にがっかりしました。 兄貴のランディもさぞ悲しかっただろうなあ。


ヘヴィー・メタル・ビ・バップ ブレッカー・ブラザーズヘヴィー・メタル・ビ・バップ ブレッカー・ブラザーズ
タイトル・ジャケット・演奏と、どれを取ってもインパクト満点の名盤。 70年代から80年代にかけてジャズ・フュージョン界最強のホーン・セクションだったのに。

「マスカレード」 ジョージ・ベンソン 1976年

2008-05-06

昔、ジョージ・ベンソンのギターは漫才師ギターだとか、あの眼は絶対目張りを入れてるとか失礼な話題で友人達と盛り上がったことがありますが、その節は大御所をキワモノ扱いして誠に申し訳ございませんでした。 フォークソングから一気にハードロックへとなだれ込んだ自分としては、セミ・アコースティックタイプのギターがなんとなくカッコ悪く見えてしまってたんですね。

さて、流麗なギターとユニゾンで歌うスキャットが見事なジョージ・ベンソンは、76年の大ヒットアルバム「ブリージン」でジャズからポピュラー・ミュージックの世界にシフトして大成功しました。 いくらジャズ・ギタリストとしての腕前が確かでもそれだけで食べていくのは大変だったらしくて、幸運なことに彼はボーカルも達者だったのが代表曲「マスカレード」のヒットへと繋がりました。 そもそもあれだけギターの上手い人があれだけ歌も上手いというのは、プロの世界でも珍しいんじゃないでしょうか。

本家レオン・ラッセルの「マスカレード」は洞窟の中で演奏しているようなイントロや、ちょっと引きずるような感じの独特なボーカルがまた雰囲気があっていいんですが、ジョージ・ベンソンは洗練された演奏で、ソファーでブランデー・グラス片手に(石原裕次郎か?)聴くのが似合いそう。 ちなみに同じ曲でもジョージ・ベンソンとカレン・カーペンターは「マスカレイド」、レオン・ラッセルの場合は「メスクレイド」と聞こえます。 これはやっぱり南部訛りなんでしょうかね?


ブリージン ジョージ・ベンソンブリージン ジョージ・ベンソン
タイトル曲やレオン・ラッセル作の「マスカレード」が大ヒット。 名ジャズ・ギタリストがメジャーな舞台に躍り出た傑作です。 「ああ、これでメシが喰える」と安心したかも。

「愛と風のように」 BUZZ 1972年

2008-05-01

Tag : BUZZ

最近の若者はクルマにあまり興味がないんだそうで、確かに首都圏や関西などの大都市では維持費のかかる自動車など持っていなくても交通手段がいくらでもありますからね。 だけどパソコンと同じように、たとえ中古の安物であってもクルマは確実に自分の世界を広げてくれます。 週末のドライブで好きな音楽を聴きながら、行ったことのない場所へ愛車を走らせるのは人生の貴重な楽しみのひとつですから、これを知らないのはもったいないと思うけどなあ。

昭和47年にフォークデュオのBUZZが歌った「愛と風のように」は、通称ケンメリのスカイラインのCMソングに起用されてお茶の間に届きました。 ワクワクするような新車と美男美女のモデルが大自然の中で躍動するコマーシャルは、チャールズ・ブロンソンの「マンダム」と並んで、今では当たり前となったタイアップソングの素敵な成功例だと思いますね。

この曲は過去に福山雅治と山崎まさよしがカバーしましたが、悪くはないけどやはり小出博志のボーカルあっての歌だと思います。 プロの歌手の中にも天からの贈り物としか思えない素晴らしい声の持ち主がいて、彼もそのひとりではないでしょうか。 CMでの声と再結成ライブでの声は若干違うけれど、それでも綺麗な響きに変わりはありません。 ああ、事情があってクルマを手放してしまったけど、また遠くへ走りに行きたい。

ところで、クルマに興味のない若者、特に男。 「運転がヘタと言われるのは、セックスがヘタだと言われるのと同じだ」という名言を知っているか? 一度胸に手を当てて考えてみた方がいいと思うよ。 ちなみに僕はそんなに運転上手くはないです。


ケンとメリー 愛と風のように BUZZケンとメリー 愛と風のように BUZZ
4代目C110日産スカイラインのCMソングとして大ヒット。 鮮烈なブルーを纏ったスカイラインと、繊細なハイトーンボイスで歌う優しいメロディーラインが今も記憶に残ります。

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プロフィール

Author:music70s
1957年生まれ。
福岡県在住です。

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