「ダーティー・ハリーのテーマ」 ラロ・シフリン 1971年

2009-05-31

Tag :

中学の時に見た「ダーティー・ハリー」の音楽を担当したのがラロ・シフリンだということは知っていましたが、この変わった名前の音楽家について詳しいことは知りませんでした。 調べてみたらブエノス・アイレス生まれのアルゼンチン人で、パリへ留学後にアメリカへ移住したピアニストだそうです。 ところで話は変わりますが、ブエノス・アイレスやプラハっていう地名に、なんだか胸がキュンとすることってありませんか?

それはともかく彼の手がけたサントラには有名な「燃えよドラゴン」「スパイ大作戦」の他スティーヴ・マックイーンが溜め息出るほどカッコ良かった「ブリット」、追悼記事で書いたポール・ニューマンの「暴力脱獄」など出るわ出るわ、まあ凄い人なんですねえ。 今回の「ダーティー・ハリーのテーマ」は小学校時代からの友人と見に行った映画の印象が鮮烈だったので取り上げたんですが、肝心な音楽については正直なところよく覚えてません。

出演者よりも先に音楽が頭に浮かびそうなくらい強烈な印象を残した「スパイ大作戦」はラロ・シフリンのオフィシャル・サイトのテーマミュージック(※ボリューム注意)にもなっていますし、「燃えよドラゴン」は高校の文化祭でブラスバンドが演奏して、男子ほぼ全員で「ホワァ~ッ!!」と合唱して盛り上がりました。 対する「ダーティー・ハリー」の音楽はあくまで映画を効果的に演出するための道具だったんでしょうか。

ドラマ「ローハイド」で見覚えのあったクリント・イーストウッドはヒョロリとした長身の青年から渋みの増した大人の男へと変貌していて、映画の冒頭サングラスにエルボー・パッチのついたジャケットを着て登場するところからもう格好良かった。 今でもよく覚えているのは映画のラスト、ハリーが銃を降ろすフリをして子供を人質に取った犯人を射殺するシーンで、前の席に座っていたオッサンが手を叩いて大声で「うまいっ!」と叫んだことで、僕と友人は呆気にとられてしまいました。

あのオッサンも全身で映画を楽しんでいたんだなあと思うとなんだか微笑ましい気持ちにもなりますが、今よりももっと映画が大衆の娯楽だった時代の懐かしい出来事です。


ダーティー・ハリー ラロ・シフリンダーティー・ハリー ラロ・シフリン
大柄でしかも渋い男前だからS&W M29がサマになってました。 映画界で最も大型のリボルバーが似合う男です。 オートマチックではなくて。

「キラー・クイーン」 クイーン 1974年

2009-05-25

Tag : クイーン

「キラー・クイーン」はクイーンにとって初のメジャー・ヒットとなったナンバーで、わずか3分ほどの短い曲の中にまさに彼らにのみ可能なユニーク(唯一の・極めてまれな・独自の・・・etc.)な世界が展開されています。 元々クイーンを好きになったのはフレディ・マーキュリーのボーカルよりもブライアン・メイの"レッド・スペシャル"から放たれる音が気に入ったからですが、この曲は案の定フレディの作品なんですね。

ブルースに根ざした王道を往くロックではなく、フィンガー・スナップから入るメロディーはフレディが自らのファルセット・ボイスを効果的に使うために創作したかのようで、サビの部分に入る前の部分などは普通のシンガーが歌うにはちょっと躊躇しそうな響きがあります。 その独特のメロディーに分厚いコーラスとギターの音を重ね合わせて、素材に加工を加えながらも複雑になり過ぎないよう短くまとめたところにこの曲の成功の要因があるのだと思います。

他の何ものでもないオリジナリティーが生み出される背景には、ペルシャ系インド人を両親に持ちインドからイギリスへ移り住んだフレディや、プロの道具として通用するオリジナル・ギターを自作し後に天体物理学の博士号まで取得したブライアン、一時は歯科医学を学んでいたロジャーなどメンバーの多彩な経歴や才能もあったんでしょう。 後からオーディションを受けてメンバーになったベースのジョン・ディーコンもいくつかの印象的な名曲を書いています。

インテリ揃いの集団はそれぞれに曲作りの才能も持っていて、「キラー・クイーン」に続いて同じ路線をさらに昇華させた「ボヘミアン・ラプソディー」以降は様々なタイプのヒット曲を連発して世界を舞台に快進撃、フレディの死後も多くのファンを生み続けるビッグ・ネームとなりました。 その原点となったのはやっぱりこの曲。 お、なんか違うな?と衝撃を与えた「キラー・クイーン」だと思います。


シアー・ハート・アタック クイーンシアー・ハート・アタック クイーン
キラー・クイーン」始めバラエティ豊かな内容ですが、地味な印象なのはジャケットのせいもあるんじゃないか。 3曲目「テナメント・ファンスター」のサビの部分、ロジャーのボーカルかっこいいです。

番外編その8. テレビドラマ黄金時代 (海外SF編)

2009-05-18

Tag :

「機動戦士ガンダム」で有名な富野由悠季が、クリエイター向けのトークセッションで語った内容が以前ITmedia に掲載されていて、その中に『他人のコピーにならない為にはその人が本性的にもってる指向性や方向性に合致しているかどうかが重要。11、12歳ぐらいまでに好きだったものにこだわれ』という箇所がありました。 その延長線上にあるものと今やっている仕事がフィットしているとかなりいい所まで行くと。

僕はクリエイターではありませんが、なるほど小学校高学年の頃に好きだったものは大人になっても本質的に好きですね。 僕の場合はプラモデルと漫画・テレビで、特にテレビで見た海外のドラマにはのちに映画化された名作が多くて今でも思い出に残っています。 今回のタイトル「テレビドラマ黄金時代」とは僕にとって60年代がそうなんです。 「ローハイド」や「コンバット」「逃亡者」など挙げればキリがありませんが、今回は大好きなジャンルのSFを取り上げたいと思います。

まずは"スーパーマリオネーション"を駆使した特撮人形活劇シリーズ。 「海底大戦争 スティングレイ」「サンダーバード」「キャプテン・スカーレット」と続くところがもうど真ん中で、ボーイソプラノの主題歌が妙に印象に残る海底大戦争に始まって名作中の名作サンダーバードはプラモデルも作ったし映画も見に行きました。 一番人気があったのは色々な特殊救助メカを搭載するサンダーバード2号で、諜報員ペネロープの吹き替えは黒柳徹子でしたね。 キャプテン・スカーレットになると頭でっかちだった人形もスタイルが良くなってきました。

何と言っても最高だったのは作品中に登場するメカのかっこよさで、上記シリーズを制作したジェリー・アンダーソンは70年の「謎の円盤UFO」で実写版に挑戦して、"インターセプター"などの素晴らしい造形でまたもや興奮させてくれました。 さらに矢島正明の吹き替えがぴったりはまっていたカーク船長率いるUSSエンタープライズの乗組員たちが活躍する「宇宙大作戦」。 映画もヒットした「スタートレック」ですね。 名作には必ず名脇役がいて、この作品の場合はレーナード・ニモイ演ずるミスター・スポックがそうでした。

もうひとつ挙げるなら当然「宇宙家族ロビンソン」で、長男のウィルとドクター・スミス、本家ロビンソン・クルーソーの登場人物から名前をとったロボット、フライデーのやりとりがユーモラスで心地よかったけど、この作品に登場するロビンソン一家こそ理想的なアメリカの家族だったのかもしれません。 知的で逞しい父親と優しい母親・美人の姉とちょっと生意気だけど可愛い妹・末っ子の強気だけどナイーブな男の子。そこに体育会系の操縦士と一家が遭難する原因となったドクター・スミス、頼りになるフライデーが加わったことでドラマも盛り上がります。

最後に男前の副長がカッコ良かった「原子力潜水艦シービュー号」。 これは団地の向かいの部屋に住んでいたひとつ年上の友達が「シュービー号」と言い張って聞かなかったのには子供心に閉口しました。 一緒によく怪獣映画を見に行ったけど、K君は今どこで何をしてるんだろか。


宇宙家族ロビンソン宇宙家族ロビンソン
ウィリアム・ハートやゲイリー・オールドマンらの出演で映画化されましたが、やっぱり昔見たテレビの方が面白かった。 ドクター・スミスのキャラクターが印象的。 分かりやすい愛すべき悪役でしたね。

「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」 セックス・ピストルズ 1977年

2009-05-11

年を取ってくると何かと不可解かつ不自由なことが増えてきて、遠くのものが見えないのに小さい文字も見えないとか、顔が脂ぎっているのに髪の毛はパサパサ、或いは覚えたつもりがすぐ忘れるなど、若い頃は想像もしなかった事態に直面することになります。 だけど年を重ねたからこそのメリットも多少はあって、精神的な許容範囲が広がってくることもそのひとつです。

「勝手にしやがれ」と言えば僕の場合頭に浮かぶのがまず沢田研二のヒット曲、それからジャン・ポール・ベルモンド主演の映画、その次に出てくるのがセックス・ピストルズのアルバムで、発売当時はブリティッシュ・ハード・ロックやウエストコースト・ロックに夢中でパンク・ロックなど眼中になかったんです。 ボーカルも楽器もうまいのが当たり前と思ってたんですね。

当然小汚い格好をしたヘタクソなバンドのロックなんて嫌いだったんですが、よくよく考えてみれば70年代の後半は僕の好きな正統派ロックはすでに衰退期に入っていて、当時後追いで遡ってロックを聴いていた自分とロック界の波は逆方向に進んでいた訳です。 後で冷静になって聴いてみればセックス・ピストルズも悪くないな、なんて思うようになったのは、多少は頭が、いや心が柔らかくなったせいでしょうか。

ジョニー・ロットンのツンツンヘアーと叫ぶでもなく怒鳴るでもなく、あれは大声で喋ってると言うのかインパクトのあるボーカルがまず印象に残りますが、まず荒削りなギター・ロックとしてリスナーの心に響いたところがあるんだと思います。 さらに過激なバンド名やその風体、これはマズイんじゃないのという歌詞が当時の若者達を煽り立てて一種の社会現象のようなことになったんじゃないでしょうか。

怒れる若者達はいつの世もどこの世界にでもいますが、最近は誰かが怒っててもまあまあ、となだめる側に回ったりすることが多くなってきました。 ただ、あれはダメ!これはキライ!とバッサリ切り捨てていた若い頃がちょっと懐かしくもあります。


セックス・ピストルズ勝手にしやがれ セックス・ピストルズ
昔はまったく興味なかったけど、今ならおお、元気やのう。と許せます。 若さゆえ?の過激なエネルギーに満ちている唯一のオリジナル・アルバム。 パンクってニキビみたいなものなんでしょうか。

「甘い予感」 アン・ルイス 1977年

2009-05-05

90年代の終わり頃にアン・ルイスの「LA ADELITA」というアルバムを買ってみたら、ロック・テイスト溢れるその内容に、やっぱりアンはかっこいい!と感心してしまいました。 テレビ番組の中でギタリストの事に触れて「Char は最高だけどアルフィーの高見沢はダメ。」と言ってたのには笑ってしまいましたが、基本的にディストーションの効いたギターが活躍するロックが好きな人なんだなと思います。

80年代以降の彼女は「六本木心中」などのいわゆる歌謡ロックで一世を風靡しますが、先日懐かしいメロディをたまたま耳にしておお、いいなあと思って調べてみたら松任谷由実が彼女のために77年に書いた「甘い予感」という曲で、そんなに昔の曲だったのかとちょっと驚いてます。 ユーミンは結婚して松任谷姓になってまもなくで、アンは以前取り上げた「グッド・バイ・マイ・ラブ」がヒットしてから3年後のことです。

ユーミンのオリジナルは暖かいリズムが心地よくてまた違った良さがあるんですが、この曲はまさにチャーミングな当時のアンをイメージして書いたんだなという感じがします。 さて、僕が思うに高音では可愛く、低音ではカッコよく響くのが彼女の声の素敵なところで、ここがヘヴィーな中にも親しみを感じる歌謡ロックに合う理由ではないでしょうか。 だけどアイドルらしかった70年代の彼女にもまた捨てがたい魅力がありますね。

残念な事に、体調を崩してからは長いブランクを経てセルフ・カバーなどのアルバムを出してはいるもののステージに立つことはなくなってしまい、現在はロスを拠点にデザイナーなどの活動をされているそうです。 ファンとしてはもう一度あの笑顔がはじけるのを見たいところですが、ストレス・フリーな生活を送っているのであればその方がいいのかなとも思います。


アン・ルイスWOMANISM COMPLETE BEST アン・ルイス
彼女の歌を聴くとなんだか元気が出てきます。 ロック魂と女性らしい可愛らしさが同居しているところがいいですね。 アン・ルイス、好きです。

Google Ad.




プロフィール

Author:music70s
1957年生まれ。
福岡県在住です。

カテゴリ

最新記事

最新コメント

シンプルアーカイブ

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク

ミュージック・スタイル

音楽関連サイトリンク集
音楽関連サイトリンク集 MUSIC-STYLE

J-Total Music

無料歌詞検索エンジン

バンドスコア

ベスト・オブ・アメリカン・ロック【ワイド版】

RSSリンクの表示

ご訪問ありがとうございます。

My name is Nipper.

♪ Life is very short and ...