「ファインド・アウト・アバウト・ラブ」 バックマン・ターナー・オーバードライブ 1975年

2009-11-29

名盤「Not Fragile」発表当時のキャッチ・コピーが「驚異のロックンロール・マシーン!!」で、これはジャケットやバンド名、そして内容にもマッチした宣伝文句だなと思うんですが、シングルの邦題には疑問符の付くものもあって、B.T.O.5枚目のアルバム「ヘッド・オン」からヒットした「愛にさまようロックン・ローラー」はあんまりじゃないでしょうか。

原題「Find Out About Love」は、体格に似合わない哀愁を帯びた声で歌うランディ・バックマンのボーカルと適度にポップでマイナーなメロディーがまことによくマッチしたナンバーで、体形のよく似たベースのC.F.ターナーの野太いボーカルとギターのリフがカッコいい「ハイウェーをぶっ飛ばせ!(この邦題は気に入ってます。)」とは対照的です。

失礼ですがカナダ出身のゴツくてむさ苦しいオッサン(ランディの事です。)が書いたとは思えないようなこの曲は、ギターのイントロからしてリスナーのハートを掴むようなところがあって、どこか懐かしい感じもするメロディーを聴くと、この人ソング・ライティングの才能があるなと思います。

一番の聴き所は一分半近いギターの間奏で、メロディアスでいいんですこれが。 だけどバンドとしてハードに行くのかポップに行くのか、メンバーの間には迷いもあったようで、ランディは一時バンドを脱退してしまいます。 まあよくある事ですが、このアルバム以降B.T.O.はだんだんとスピードが落ちてハイウェーをぶっ飛ばすどころではなくなってしまいました。

詳しくは知らないものの「アメリカン・バンド」のグランド・ファンクや「チャイナ・グローブ」のドゥービー同様、イギリスのバンドとは違った単純明快で豪快なところが彼らの持ち味だと思ってたんですが、豪快なだけではない繊細さも感じさせてくれた曲が今回の「ファインド・アウト・アバウト・ラブ」でした。


ヘッド・オンヘッド・オン B.T.O.
もともとは4人のメンバーの写真で4分割されたジャケットだったんですが、輸入盤はどういう事情かランディ・バックマンのどアップになってます。 「B.T.O. は俺のバンドだ!」ってことなんでしょうか。

「冬が来る前に」 紙ふうせん 1977年

2009-11-22

前回書いた赤い鳥のメンバーだった後藤悦次郎と平山泰代は、グループ解散後に結婚して紙ふうせんというフォーク・デュオを結成しました。 夫婦デュオというとチェリッシュやヒデとロザンナなどが懐かしいけれど、この季節になると思い出す曲が紙ふうせんの「冬が来る前に」です。

この曲は寒い季節に聴くフォークソングの定番とも言えそうな名曲なんですが、心地よいのはそのアレンジです。 イントロから低く響くリフや、ドラムのシンプルなリズム、それにストリングスも効果的に使われていて、こんなことを言ってはなんですが、切なく盛り上がるサビに入る前の時点で僕としてはすでに満足です。

平山さんは関西ローカルの番組に出ているのを見た事がありますが、明るい関西のおばちゃんという感じです。 最初はどこかで見たことある人だなと思ったんですが、ああ、紙ふうせんのあの人かと気が付いたときは、いい感じで普通に年を取っているのを見てなんだか安心しましたね。

「冬が来る前に」から30年以上の時が流れ、その間ふたりがどこでどうしているのかまったく知らなかったものですから、ポンとテレビに出てきた彼女を見て、ん?となった訳ですが、まあちょっと見る限り幸せそうで何より。 勝手な感想ではありますが、そんなことを思った次第です。


Golden☆Best 紙ふうせんGolden☆Best 紙ふうせん
古き良き時代の風景を思い起こさせるような曲が多いですね。 赤い鳥時代の「翼をください」も入ったベスト。 細身でやさしそうな後藤さんとややポッチャリの平山さん、お似合いのカップルです。

「赤い花白い花」 赤い鳥 1970年

2009-11-15

Tag : 赤い鳥

赤い鳥と言えば「竹田の子守唄」というイメージがまず自分の中にあってその次が「翼をください」、3番目に出てくるのが「赤い花白い花」です。 「竹田の子守唄」は美しいメロディーの裏に重たい背景があると知ってからはなんとなく身構えてしまうようなところがあり、「翼をください」もいいけれど僕の好きな山本潤子のソロのイメージが強く、改めていいなと思ったのが今回の「赤い花白い花」です。

赤い鳥には山本潤子と平山泰代というタイプの違うボーカリストがいて、ふたりの絶妙なハーモニーを楽しめるのが「赤い花白い花」です。 この短い曲は元々彼らのオリジナルではなくて、たまたまメンバーが人づてに教えてもらった曲を気に入って、作者を探し出してレコードになったんだそうで、なんだかドラマチックですね。

それにしても叙情的という言葉がぴったりなこの曲、静かな世界になんだか癒されます。 作詞作曲の中林三恵さんという方の書いた詩を見ると、少女の想像の世界に自然とメロディーが乗ったような感じですね。 メインボーカルの山本さんの歌に平山さんのコーラスが重なる後半は、まさに絶品です。

ふたりの女性ボーカリストはそれぞれ他のメンバーと社内結婚?をしてポップなハイ・ファイ・セットとフォークな紙ふうせんへと分かれてゆきます。 アマチュアだった赤い鳥やチューリップ、オフコースがデビュー前にヤマハのライト・ミュージック・コンテストで競っていたことを考えると、60年代の終わりから70年代の初めというのは、その後の日本の音楽界にとって大事な時代だったんだなと思います。


赤い鳥 The Red Birds赤い鳥 The Red Birds
ハイ・ファイ・セットと紙ふうせん、対照的なユニットがここから生まれました。 「竹田の子守唄」や「翼をください」など、日本のフォーク・ポップス界に大きな足跡を残した偉大なグループでしたね。

「よこはま・たそがれ」 五木ひろし 1971年

2009-11-08

Tag : 五木ひろし

普段すすんで演歌を聴くことはないんですが、これからの寒い季節ってなんだか日本の歌が恋しくなったりします。 たまにテレビで見る演歌歌手たちの歌の上手さには時々ゾクッとするようなことがあって、じゃあ誰の曲にしようかと思ったら五木ひろしの「よこはま・たそがれ」が浮かんできました。

愛嬌のある細い眼と握りコブシがトレードマークの五木ひろしが歌った「よこはま・たそがれ」は、1971年の日本レコード大賞歌唱賞を受賞した名曲です。 低音で始まる導入部から高音のサビの部分まで、なるほど歌唱賞を取るだけのことはあるなと納得の実力で、元々歌は上手いわけですからどんな曲に出逢うかで歌手の運命は決まるのかもしれません。

山口洋子の手になる歌詞には"ホテルの小部屋" "くちづけ 残り香 煙草の煙"と、大人の情事を連想させる言葉が最初から連発で、この歌がリリースされた頃中学生だった僕には刺激が強すぎたのか、特に"ホテルの小部屋"というフレーズは強烈に印象に残っています。 まだ見ぬ世界に憧れや興味を持つのは、まあ男子として当然のことでしょう。

ただこの人、コテコテの演歌歌手というイメージではなくて、ギターの弾き語りもやるしどこか人の良さも感じられて、ちょっとポップなイメージが僕にはあるんです。 坂本冬美も以前忌野清志郎や細野晴臣と共にユニットを結成して意外な驚きを与えましたが、実力がベースにあるからこそ生まれた企画ですよね。

でもイメージこそが演歌の命、あえて本道をはずさずファンの期待を裏切らないようにしている部分もあるかもしれませんね。 あくまでも勝手な想像ですが。 若い頃は見向きもしなかったはずの演歌がなぜか心の中に残っているのは、やっぱり日本人の心に染み込む独特の魅力があるからだと思います。


五木ひろし全曲集 スーパーヒットコレクション五木ひろし全曲集 スーパーヒットコレクション
安定感や安心感というのがこの人の持ち味かもしれません。 コテコテなだけではない、親しみやすさを持った演歌界のスーパースター、五木ひろしの全曲集です。

「スウィート・スウィート・サレンダー」 ベック・ボガート&アピス 1973年

2009-11-02

大編成のビッグバンド・ジャズもウキウキして楽しいものだけど、ギター・ベース・ドラムスの最小編成でやるロックには、無駄なものを削ぎ落としつつ魂を揺さぶるような激しさもあり、昔から心惹かれるものがあります。 60年代後半のクリームやジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスなどがそうなんですが、このあたりは微妙に僕と世代がズレていて、ロックに夢中になった10代後半に出逢ったのがジェフ・ベック率いるベック・ボガート&アピスです。

彼らはハード・ロックが最も栄えた70年代前半に現れてあっという間に消えてしまいましたが、もともと天才ジェフ・ベックが自分のやりたいことをやるために結成したバンドだったようで、スタジオ・アルバムと日本でのライブ・アルバム、たった2枚のアルバムを残しただけでさっさと解散してしまいます。 だけど初めて聴いたときは「迷信」や「レディー」のあまりのカッコ良さにのけぞってしまいました。

特に「ライブ・イン・ジャパン」ではジェフ・ベックに見初められた元カクタスの腕利きリズム隊を従え、ハードに弾きまくるギターのかっこいいこと。 ただ全編ハードに走りまくるかといえばそうではなく、中には「スウィート・スウィート・サレンダー」や「アイム・ソー・プラウド」のような甘いナンバーもあって、特に「スウィート・スウィート・サレンダー」は僕のお気に入りです。

このバンドは唯一ボーカルが弱いなんていう意見もあるようですがそんなものは二の次三の次、美しいメロディーに乗ったボーカルもコーラスも充分聴くに堪えるどころかああ、この曲を演奏する彼らを生で見たかったと今でも思います。 ライブでこそ味わえる熱いうねりの中にほっと一息つける瞬間があって、そこに変幻自在のギターが絡んでくれば至福のひと時が・・・。

BBA解散後のジェフ・ベックはボーカルなしのインストゥルメンタル路線で新境地を開拓しますが、本当はジェフ・ベック・グループの頃みたいにロッド・スチュワートのような優れたボーカリストと一緒にバンドをやるのが一番楽しかったんじゃないかと思ったりします。


ベック・ボガート&アピスBeck Bogert & Appice Live
ディープ・パープルの「ライブ・イン・ジャパン」同様、こういうライブが日本で行われてなおかつ名盤として評価されているのは、日本人として誇らしい気持ちになりますね。

Google Ad.




プロフィール

Author:music70s
1957年生まれ。
福岡県在住です。

カテゴリ

最新記事

最新コメント

シンプルアーカイブ

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク

ミュージック・スタイル

音楽関連サイトリンク集
音楽関連サイトリンク集 MUSIC-STYLE

J-Total Music

無料歌詞検索エンジン

QRコード

QR

RSSリンクの表示

ご訪問ありがとうございます。

My name is Nipper.

♪ Life is very short and ...