「ハーバー・ライト」 ボズ・スキャッグス 1976年

2010-06-27

ハードロックの黄金時代に翳りが見え始め、当時はどう見ても楽器もできない若造が騒いでいるようにしか思えなかったパンクが台頭してきた頃にリリースされたボズ・スキャッグスの「シルク・ディグリーズ」は、なんともお洒落で垢抜けたオープニングで、これが大人の音楽かと思わせてくれました。

そもそも自分が楽器もろくに弾けない地方出身の若造でしたから、後にTOTOを結成することになるデヴィッド・ペイチやジェフ・ポーカロなど、一流のミュージシャン達の演奏と洗練された楽曲、そしてボズのボーカルと、アルバム全体が醸し出す大人と都会の雰囲気が目からウロコの気持ち良さだったんでしょうね。

このアルバムからは「ロウダウン」や以前取り上げた「ウィー・アー・オール・アローン」など多くのヒット曲が生まれて彼の代表作となりましたが、ドラマチックに盛り上がる「ウィー・アー・オール・アローン」とはまた違った味わいのある静かなバラードが「ハーバー・ライト」です。

出来れば港のそばの小洒落たホテルで、夜中にひとり静かにグラスを傾けながら聴くのが似合いそうな曲で、絶妙なサビの導入部のメロディーに酔いしれつつカッコいい大人を気取りたくなります。 静かでゆったりとした曲だからこそボーカルの技術や確かなバックの演奏、そしてアレンジも重要で、ここはドップリと彼らの世界に浸りたいところです。

売れるまでに時間のかかったボズも「スロー・ダンサー」あたりからその後の進むべき方向が見えてきたのか、L.A.のミュージシャン達との出逢いも大きかったんでしょうね。 「シルク・ディグリーズ」「ダウン・ツー・ゼン・レフト」、それからロック色の強い「ミドル・マン」は今でも大好きなアルバムで、何年たっても色褪せない大人の音楽を創り上げてくれたボズとその仲間たちはやっぱり素晴らしい。


ボズ・スキャッグスSilk Degrees ボズ・スキャッグス
ひとことで言えば、お洒落。 腕利きミュージシャンがバックを固めて、ボズが数々の名曲で極上のボーカルを披露する、これが大人のロックです。 ハードロックに慣れた耳にはとても新鮮に聞こえました。

「悲しきレイン・トレイン」 チューリップ 1975年

2010-06-20

僕の住む関西地方もついに本格的な梅雨に入ってしまって、しばらくはうっとうしい季節が続きます。 あちこちの音楽ブログでも雨をテーマにした曲について書かれていますが、今回はチューリップの「悲しきレイン・トレイン」を選んでみました。

この曲は「心の旅」と同じく別れと旅立ちをテーマに書かれてるんですが、物語の背景に降る雨は土砂降りではなく、どちらかと言えば南の国の明るいシャワーを連想させるような優しい雨です。 なぜなら夢をつかむために旅立った主人公は最後に"東京行きの切符を入れた手紙をかくよ"と結ばれているからですね。

若さゆえの甘い幻想と言ってしまえばそれまでですが、優しい気持ちに応えるようにややゆったりとしたリズムがまず気持ちいいんです。 さらに姫野さんの声がなぜか「心の旅」の時ほど甘くはなく、絶妙にメロディーとマッチしているように思えます。

サビから入るのはチューリップ、と言うより財津さんの得意なパターンだけど、バックのコーラス、「It's Rain Train」と繰り返し歌う財津さんの声とからむ姫野さんの声、いいですねえ。 今回雨をテーマにした曲を探すうちに久しぶりにこの曲と出会って、改めてよく出来たいい曲だなと思いました。

ツイン・ボーカルがいるのはバンドにとって大きな強みで、曲によってメイン・ボーカルを変えるのがファンにとっては楽しみでした。 財津さんも「心の旅」では自分が歌いたかったのかもしれませんが、この曲では完全に姫野さんをイメージしてたと思うんですけれど、どうでしょう。


Tulip おいしい曲すべて 1972-2006 Young DaysTulip おいしい曲すべて 1972-2006 Young Days
彼らの憧れ、ビートルズの赤盤に相当するまさに名曲満載のベスト。 初期のチューリップは青春時代とシンクロして、本当に懐かしいです。

「カヴァティーナ~ディア・ハンターのテーマ」 ジョン・ウィリアムス 1978年

2010-06-13

数々の戦争映画の中でも印象に残っているのが、学生時代に見たロバート・デ・ニーロ主演の「ディア・ハンター」です。 主人公たちの故郷と戦火のベトナムを行き来する約3時間の大作ですが、衝撃的なロシアン・ルーレットのシーンもあってかまったく長いとは感じませんでした。

当時は映像ばかりが脳裏に残ってバックに流れる音楽についてはあまり覚えていませんでした。 最後のシーンで歌われる「ゴッド・ブレス・アメリカ」は残された人たちが悲しみを共有するかのように聞こえてシンミリしましたが、あらためて心が洗われるような曲だなと思ったのがテーマ曲の「カヴァティーナ」です。

演奏するジョン・ウィリアムスについては映画音楽で有名な同名の人物が先に頭に浮かぶくらいでまったく知らないんですが、たまに聴くクラシック・ギターの音色ってなんだか胸に沁みるものがあります。 過酷な運命にさらされる登場人物たちを慰めるかのようでもあり、映画をささえる音楽の存在ってやっぱり重要ですね。

ベトナムで捕虜になったデ・ニーロが、イチかバチかで命懸けの賭けに出て奇跡的に脱出するのが有名なロシアン・ルーレットのシーンですが、ここで共に捕虜になっていた仲間3人はバラバラになってしまいます。 デ・ニーロはなんとか無事帰還しますが、ジョン・サベージはこの時のケガがもとで片脚を失い、デ・ニーロの親友だったクリストファー・ウォーケンはベトナムで行方不明に。

ここからが泣けてくるところで、デ・ニーロは陥落寸前のサイゴンへウォーケンを探しに行って精神のバランスを失った友と再会し、またも命がけで彼を救い出そうとします。 しかし運命は残酷で、最後のロシアン・ルーレットでついに銃は火を吐き、デ・ニーロがウォーケンの頭から吹き出す血を止めようとしながら友の名を叫ぶところは悲痛でした。

監督のマイケル・チミノはこの作品で監督賞・作品賞はじめアカデミー賞5部門を獲得しましたが、次作「天国の門」が興行的に大失敗して一時は干されてしまいました。 「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」は面白かったけど、その後は今ひとつパッとしませんね。 しかし「ディア・ハンター」は僕にとっては戦争と友情を描いた映画として、今でも心に残っています。


ディア・ハンターディア・ハンター
静かで美しいテーマ曲からは想像もつかない、ロシアン・ルーレットのシーンが公開当時は話題になりました。 繊細な青年を演じたクリストファー・ウォーケンの演技も印象に残っています。

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プロフィール

Author:music70s
1957年生まれ。
福岡県在住です。

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