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番外編その7. 「今夜、すべてのバーで」 中島らも

2009-01-25

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2004年に酔っぱらったあげく、階段から転げ落ちて頭を打って死んでしまった中島らもの小説「今夜、すべてのバーで」を読んでみました。 彼の本はかなり前に短編集「人体模型の夜」を読んで以来で、なかなか面白いなとは思ったけどそれっきりになっていました。 高校時代の友人が「ガダラの豚」が面白いぞと教えてくれていたのでそのうちと思ってたんですが、本屋で文庫本の棚をあさっているうちにたまたまタイトルに惹かれてようやく中島らもに再会したわけです。

歯科医の息子の中島らもは誰もがその名を知る兵庫県内の進学校に入学したものの、酒やクスリやロックにうつつを抜かして落ちこぼれてしまったそうで、未成年のくせになんと自分の欲望に正直な。 既にこの頃から彼の将来や最後を予感させるものはありますね。 その後浪人して大阪の大学へ入学し、卒業してからは印刷会社や広告代理店を経てロックバンド、作家、劇団、そして相変わらず酒とクスリに溺れる生活を送っていたとか。

そんな彼が自らの体験を元に書いて第13回吉川栄治文学賞新人賞を受賞したのが「今夜、すべてのバーで」という小説です。 主人公の小島容(いるる)がアルコール中毒で入院した病院での出来事を描いた内容には経験したものにしか分からないリアリティーがあって、それだけでも充分興味深いものがあります。 酒の飲み方にも色々とあって、会社帰りに同僚と軽く引っかける一杯もあれば久しぶりに会った友人とブランクを埋めるように飲む酒もあり、毎日の食事と共に楽しむ酒もありで、楽しいか否かはその都度状況にもよりますね。

酔っぱらっている間は嫌なことも忘れられるので、仕事や人生がうまくいかなくなったときのヤケ酒に近い酒は僕も経験があります。 自分で「ああ、俺は大丈夫か?」と思うくらい飲んでしまう事もあって、確かにアルコールには良くも悪くも薬のような効き目がありますね。 ライターを生業とする小島はアル中に関する文献を読み漁り、このままでは恐ろしい状況に陥ることも承知しながら妙に現実を客観視しつつ飲み続けるところがあって、まことにインテリのアル中は始末が悪い。

破滅一歩手前の彼のまわりにはアル中を治療しながらも実は自らが酒乱の医者や病院の薬用アルコールを飲む先輩のアル中、幼い頃から病弱で、ついには早世してしまう繊細な少年、それから自暴自棄な人生を送ったあげく死んでしまった友人とその妹などがいて、それぞれの人物描写がなかなか読ませてくれます。 そして物語の最後は希望の光が感じられるハッピー・エンドとなっていて、救いようのないお話ではないところに爽やかな読後感があります。 この本、もう少し早く読んどけばよかった。


今夜、すべてのバーで今夜、すべてのバーで
文庫本の表紙はもう少しヒネリを効かせて欲しかったと思いますが、中身は充分面白かった。 何と言ってもこのタイトルが素敵じゃないですか。 自分の欲求に正直になると、とんでもない世界が見えるんですね。

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1957年生まれ。
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